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【お米の勢力図】コシヒカリ一強じゃない?東北の「お米シェア」に見る意外な県民性

日本の主食、お米。お店の棚を見れば「コシヒカリ」をはじめ、たくさんの銘柄が並んでいますよね。全国的な収穫量で見れば、コシヒカリが全体の4分の1以上(約27%)を占めて圧倒的なナンバーワンに君臨しています。

「じゃあ、日本中どこでもコシヒカリが一番作られているの?」

そう思いきや、実はお米の大どころである「東北エリア」に目を向けると、私たちの常識を覆す、非常にユニークな“お米のナショナリズム”とも言える勢力図が見えてくるのです。今回は、農林水産省などのデータから、思わず「なるほど!」と言いたくなるお米の裏話をご紹介します。

■ コシヒカリが勝てない?東北の「ご当地米」大健闘

東北全体で見ると、実はトップはコシヒカリではなく「ひとめぼれ」。それに「あきたこまち」が続きます。全国一強のコシヒカリは、東北全体では第5位(シェア約8%)にまで順位を落とすのです。

さらに県別に見ていくと、各県の「我が道を行く」スタイルが炸裂しています。

  • 青森県:ほぼ1銘柄で埋め尽くされる国 青森のうるち米、なんと約80%が「まっしぐら」という品種。さらに、近年人気の「はれわたり」や「青天の霹靂」が続き、上位を青森生まれのブランドが独占しています。コシヒカリやひとめぼれが割り込む隙はほとんどありません。
  • 山形県:はえぬきがガッチリ死守 山形では「はえぬき」が半分以上(57%)を占め、高級米の「つや姫」や新星「雪若丸」が追う展開。こちらも独自ブランドへの愛が凄まじいです。
  • 秋田・岩手・宮城:絶対王者の意地 秋田の「あきたこまち(約78%)」、岩手の「ひとめぼれ(約70%)」、宮城の「ひとめぼれ(約72%)」と、それぞれが自分たちの看板娘とも言える銘柄を大黒柱として育てています。

ちなみに、東北の中で唯一「コシヒカリ」が1位に輝いているのは福島県(約47%)。新潟県と隣接している気候的な影響や、歴史的な栽培の強みが綺麗に数字に表れています。

■ もち米界の「東の横綱」はだれ?

お餅や赤飯に使われる「もち米」にも、面白いドラマがあります。 全国で一番作られているのは西日本に強い「ヒヨクモチ」ですが、東北エリア(岩手、宮城、山形、福島)で圧倒的なシェアを誇るのは「ヒメノモチ」という品種です。

東日本の和菓子屋さんやスーパーに並ぶ切り餅の多くは、この「ヒメノモチ」が支えていると言っても過言ではありません。お米だけでなく、もち米にもしっかりとした「東の定番」が存在しているんですね。

■ 日本酒好きならニヤリとする「酒米」の郷土愛

最後に、日本酒の原料になる「醸造用米(酒米)」。 全国的には兵庫県などが有名な「山田錦」が35%以上でトップですが、東北の酒蔵が使うお米は、まさに地酒の個性をそのまま表しています。

  • 秋田県:「秋田酒こまち」がトップ
  • 山形県:「出羽燦々(でわさんさん)」がトップ
  • 福島県:「夢の香」がトップ

「その土地の水と、その土地の気候で育った米で、最高の地酒を醸す」――東北の日本酒がこれだけ美味しく、個性豊かな理由は、このデータからもはっきりと証明されています。

何気なく食べている毎日のお米や、週末に楽しむ日本酒。 その背景には、全国一律の流行に流されることなく、自分たちの土地に最も合った美味しい品種をプライドを持って育て続ける、農家さんたちの熱い「郷土愛」が隠されています。

次にスーパーでお米を選ぶときや、旅先で地酒を飲むときは、ぜひその「生まれ故郷」のデータに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。いつもより少し、深く味わえるかもしれません。